季節の狭間に咲く命 2014年 9月(撮影)

三浦半島の山すそに火をつけたようにヒガンバナが揺れる。気が付くといつの間にか蕾が地面からひっそりと顔を出したと思うと、早春のタケノコのように花柄をアッという間に伸ばして花を咲かせると、草原を吹き抜ける風は残暑から涼風へと変わっていく。夏がシレッと消えていく季節の境目に特別な感傷など無いように花開き実をつける植物たちがいる。

定番の赤い花のヒガンバナ。マンジュシャゲの名を好む人も多い。

白花のヒガンバナ。白というよりは淡いクリーム色。

マルバハギは庭木として植栽されるが、これは山地に自生していた株。

メドハギは花弁のある花の他に花弁のない閉鎖花もつける。

白地に藤色が奥ゆかしいキハギの花。

ヌスビトハギの実には細かいカギ状の毛が密生していて衣服や動物の毛に付着する。

ツバキの葉の中に針葉樹の葉に見えるヒノキバヤドリギ。

民家の庭に茶色い実をたくさんつけたナツメの木を見つけた。

ミズキの実も黒く熟してきた。正月に五穀豊穣を祈る繭玉飾りに使われる。

アカガシのドングリは2年かけて熟す。

歩道にアブラギリの実がたくさん落ちていた。

エゴノキの実は昔は洗濯などに利用されたという。

イヌビワの実が黒く熟した。食べると美味いよ。

ウバユリの実が大きくふくらんできた。食べられんよ。

オケラの蕾。花が咲くと切り取られてしまうこともしばしば。

落ち葉の斜面にシロオニタケがひょうきんな顔を出している。

キクイモの鮮やかな花。このイモを食べたことは無い。

谷戸の湿地でタコノアシの赤くなった実を見つけた。

カナムグラの雌花(手前)、奥のもじゃもじゃは雄花。

チカラシバの花穂。子供の頃にこれで悪戯した。

傾きかけた初秋の陽を浴びて輝くキンエノコロの穂。

カンザシのようなオオニシキソウの実。一匹のアリンコが花の中を覗き込んでいる。

タカサブロウ花(手前)と実(花の後)。

万葉集に「思い草」と詠われるナンバンギセル。