三浦半島 春の植物 2015年 4月、5月(撮影)

冬の間、冷え切っていた大地に春の優しい雨が染み透るように吸い込まれていくと、枯れ葉が散らばる地面に植物が我先にと背を伸ばして太陽の光を集め出す。木々や草たちが一斉に花をつけ始めると、寒さに縮こまっていた人々も新緑や海の風を求めて野や海岸に繰り出してくる。寒風が吹く冬の間はおだやかだったのに、自分勝手な人間たちが巻き起こす迷惑旋風が急に吹き荒れるようになる。そして春の嵐が夏から秋まで続く。


アカメガシワの新芽。名前の通り赤い色をしている。地方によってはこの葉で柏餅を作るらしい。

ノイバラの花には近づきすぎないように注意しよう。

オニグルミのイモムシにも似た雄花は前年の枝から垂れ下がって咲く。

赤い色のオニグルミの雌花は今年出た枝に上を向いて咲く。

群がるように咲くセンダンの花。

ニセアカシアは北アメリカ原産で、木の帰化植物は珍しい。

ウツギの仲間では早く咲くマルバウツギ。葉や若枝に細かい星状毛が密生する。

その次にコゴメウツギが咲き出す。

ふと気が付くと最後にウツギが花を開いている。

万葉集には庭に咲くフジが詠まれ平安時代には藤見の宴が催されたという。

谷戸の上部で白い花を並べて咲き誇るミズキ。正月の繭玉飾に用いられる。

マテバシイの新葉と花が描き出す新緑の樹冠。

芝地にスクリューのような花を咲かせるチリアヤメ。大正時代に南米チリやアルゼンチンから渡来した。

鮮やかな色を見せるカラスノエンドウの花。

カラスよりも小さな小さなスズメノエンドウの花。

小さなスズメノエンドウにも一人前に実がなる。

春の緑の野にムサラキケマンの色が冴える。有毒だがウスバシロチョウの食草でもある。

ムラサキケマンよりも遅れて咲くキケマン。2回3出複葉を傷つけると臭い液が出る。

葉を持たないヤセウツボはマメ科植物に寄生する。

全身が黄色いキバナヤセウツボも同じく寄生植物。

草むらにひっそりと寄り添うウラシマソウ。地下の根茎が小さな時はオス、大きくなるとメスに性転換する。

昔はこのムサシアブミの根茎をすり潰して便所のウジ殺しに使われたという。

谷戸の湿気の多い場所を好むニリンソウ。

ノアザミは日当たり良好な地を好むようだ。

照葉樹の木漏れ日に咲くフデリンドウ。三浦半島では数を減らしているという。

ニリンソウの近くにはセリバヒエンソウ。

海岸近くの斜面に咲くコバノタツナミ。葉の両面に短毛が密生し別名はビロードタツナミ。

どこの草原に行ってもほぼ必ず見られるハルジオン。大正時代に北アメリカから観賞用に輸入された。

西日本から人為的に持ち込まれたと思われるシロバナタンポポ。日本在来種。

ピンク色が濃いシロバナマンテマの花。普通はもう少し白っぽい花をつける。

草むらに咲くコナスビの近くにタンポポの落下傘がひとつ。

スイレンには熱帯性と耐寒性がありこれは耐寒性で、モネが描いたスイレンも耐寒性。


観音崎公園には海岸に面した一画にバーベキューエリアがある。この公園に限らず全国にある無料BBQエリアの共通の悩みはゴミの不法放置。この公園でも休日には「ゴミ持ち帰りのお願い」の看板の前にこれ見よがしに大量のBBQゴミが捨てられている。
かつて高い山の山頂は弁当ゴミがたくさん放置されていたが、30年くらい前からだろうか「ゴミ持ち帰り運動」が定着してすっかり綺麗になった。海辺でBBQを楽しむ人のマナーはいつまで経っても向上されない。
休日の翌朝はこのざまになる。ゴミに埋もれそうな「ゴミ持ち帰り」の看板が空しい。

大量のバーベキューゴミを前にして途方にくれている掃除のおじさん。

自動販売機の前だけではなく草むらにも隠すようにゴミを捨てていくやからがいる。

今日はダンプ3杯分のゴミでした。これから休日の翌朝は同量のゴミに悩まされる。

スーパーでバーベキュー用の食材や飲み物を購入して入れた買い物カゴをそのまま盗んで持ってくる犯罪者もいる。そして帰りには、その買い物カゴにゴミを詰めて捨てて行く。

捨てられた買い物カゴは仕事の道具入れに便利なので拾って使っていたところ、巡回してきたお巡りさんに「その行為は占有離脱物横領罪(いわゆる遺失物等横領罪、ネコババ)となり1年以下の懲役刑または10万円以下の罰金刑です」と宣告された。

盗まれて捨てられた買い物カゴをあちこちのスーパーに毎日返しに回ることも出来ず結局産業廃棄物処理業者にゴミと一緒に引き取ってもらうしかない。
公園などの公共施設の悩みは、破壊や窃盗や落書きなどの犯罪行為の頻発。それとクレーマー対応。

ある日の朝、3台の自動販売機が破壊され中の現金が盗まれていた。この公園はそれほど来園者数が多い公園ではない。自動販売機の中にあった現金はせいぜい数千円から1万円前後ではないだろうか。

たったその程度の現金を盗むために、自販機の修理のために1台数十万円以上の被害を受けている。


ネット上ではエセ右翼が中国人観光客のマナーの悪さを口汚くののしっているが、この公園での日本人のマナーの悪さや犯罪行為は中国人を遥かに上回っていると思われる。
日本人が国際社会の一員としてデビューしたのは明治維新以後だから、デビュー後約150年。中国は第二次世界大戦後のデビューだからまだ70年たらず。2倍以上の経験があるはずの日本人の精神は進歩を止めたまま。