シモバシラに謹賀新年 2016年 1月(撮影)

今年は暖冬が続いており年末から年始にかけてもあまり冬らしさが感じられない日々だったが、東京と横浜に初雪が降ってからやっと例年並の最低気温の天気予報が出されるようになった。そろそろシモバシラが見られることを期待して高尾山に出かけた。でも三浦半島から高尾山は遠い。星空を見上げながら家を出たが電車が登山口に到着した時はもう8時を過ぎていた。既に太陽は昇っていて山の麓なのに気温は三浦半島を出た時よりも寒くない。6年ぶりの高尾山だがシモバシラを見ることは出来るだろうか。

早朝の山麓、ささやかな霧氷が見られた。

登山道にむき出しの恐竜骨格のような木の根。

イヌブナの葉の表面にかすかに霜が見られる。

山の踏み跡の雪、東京の初雪の名残だろうか。

草の葉に凍りついた霜。

リョウメンシダの葉の上にも雪が残る。

クマザサの葉も雪化粧している。

朝のうちは薄い靄を通して富士山も見えた。


やっと例年並の最低気温になったとは言っても最高気温はまだ高めでシモバシラの氷はなかなか大きくは育ってくれないようだ。小さめながら幾つかのシモバシラを見ることはできたが、もっと温暖化が進めば高尾山ではシモバシラを見ることが出来なくなるかもしれない。6年前の高尾山のシモバシラはこちら
このシモバシラは土中の水分が凍ってできる霜柱とは違って、ある種の植物の茎が裂けて染み出した水分が凍ってできたもの。ある種の植物とは「シモバシラ」という名前なのだが、その名前の由来はこのような氷の華をつけるからシモバシラとなったのか、またはシモバシラという植物が作るから氷の華のことをシモバシラというのか・・・ああ分からん。




登山道の脇にヤブコウジの赤い実が目をひいた。

オヤマボクチの茶色い綿毛が風を待っていた。

こちらは土中の水分が凍ってできる霜柱。普通に見られる霜柱は真っ直ぐな柱状だがこれは踊っているような形。


昼近くになってヒノキの樹林帯を歩いていると頭上から雨粒のような水滴がパラパラと落ちてきた。見上げる空には雲ひとつ無く快晴、雨の兆候は見られない。どうやら夜のあいだにヒノキの葉についた霜が太陽に暖められて水滴となって落ちてきているようだ。この暖かさではやっと出来たシモバシラも午後には融けて消えてしまいそう。