夏への身支度を整えて 2016年 5月(撮影)

5月はまだ夏とは言えないかも知れないが「夏は来ぬ」に歌われる情景は5月がふさわしい。晴天の日にはふと気が付くと無意識のうちに日陰を探し求めて歩いていたりする。そのくせ夜は意外と冷え込み、うっかり窓を開け放したまま眠ると夜中に寒さで目が覚めてしまうことも。小川のせせらぎを耳にしながら木漏れ日の中を歩くにはいい季節になった。

オニグルミの雌花。雄花はイモムシ状に垂れ下がり、果実はブドウのように房になる。

エゴノキの花。英名はジャパニーズ・スノーベルでコケシを作る材として用いられるためロクロギとも言われる。果皮にはサポニンを含み昔は洗濯用に使われた。

クスノキの花。街路樹は冬に日陰を作らないようにと落葉樹が多いが、近年は一年中緑を保つために常緑樹が増えている。クスノキは常緑街路樹としては一番多く植栽されている。

キジョランの果実。ツル性の木本で林縁によく生えアサギマダラの食草となっている。ランの名前が付くがラン科ではなくガガイモ科木本。

スダジイの若葉と花。花の地味さからは想像できないがスダジイの花は虫媒花。果実(ドングリ)は生食可。

センダンの花。「センダンは双葉より芳し」という言葉が知られるが実は双葉本葉ともに芳香は無い。ビャクダンとの勘違い。

ウツギの花。「夏は来ぬ」に歌われる「卯の花のにおう垣根に」のウツギだが、〇〇ウツギと種類が多い。写真の花は〇〇が付かないウツギ。

ニセアカシアの花。北アメリカ原産で明治期に移入され野生化。帰化植物の多くは草本で木本は少ない。長野県では在来種保護のために駆除を行っている。

ガマズミの花。赤い果実は酸っぱくて疲労時に口にすると爽やか。

古い竹の切り株の中から顔を出した孟宗竹のタケノコ。

イチヤクソウの小群落。腐葉土が多く明るい樹林下に生える。根が少なく移植は困難、盗掘しても無意味だよ。

サイハイランの花。多くは温帯地域の林床に生育する。ラン科には見えない地味な花。

今年も盗掘を免れて無事花を咲かせたキンラン。花の最盛期を過ぎてしまって一部茶色く変色が始まっている。

こちらも盗掘の対象になるが無事に花を咲かせたギンラン。やはり最盛期を逃して花がしおれ始めている。

ツタバウンランの花。地中海地方原産。ロックガーデン用に移入され野生化。

ヒルザキツキミソウの花。北アメリカ原産のマツヨイグサの仲間。観賞用に植えられたものが野生化。

ノアザミの花。オシベ先熟で自家受粉を避けている。写真は花粉がたくさん出ており雄性期。

ノアザミの花の蜜を吸うカラスアゲハ。カラスザンショウなどミカン科が幼虫の食草。

チリアヤメの花。チリ、アルゼンチン原産。葉は線形で芝生に隠れて目立たない。

クリムゾンクローバーの花。別名ストロベリートーチ。マメ科多年草だが暑さに弱いため暖地では夏に枯れる。