マテバシイって何者なの 2017年6月(撮影)

三浦半島の野山は人間が手を加えずに自然のままに放置しておくと、やがてマテバシイやスダジイなどの常緑照葉樹林に遷移していくという。現在でも開発から取り残された丘陵地にはマテバシイが繁茂して落葉樹は多くない。そう聞くとずっと昔から三浦半島ではマテバシイが優先種であったかのように思える。
しかしマテバシイの自生地は九州南部以南で大昔には関東地方にマテバシイは生えていなかったそうだ。マテバシイはドングリを大量に実らせ飢饉の時の食料になり、萌芽性が強く伐採しても植樹なしで新しい幹が早く育つため薪炭林として最適。そのため江戸時代かそれ以前に日本各地に人為的に移入されており、国内外来種とも言える。

左は樹冠を覆い尽くすマテバシイの花。昨年はクヌギやコナラのドングリが不作だったがマテバシイは例年通り大量のドングリを落とした。右は伐採後に伸びてきたヒコ生え。切っても切っても生えてくるので永遠の命を持っているようだ。
三浦半島では海苔養殖用のホダ木として、また飢饉対策として栽培されたという。薪炭にも利用されていたらしい。

長く垂れ下がるオニグルミの雄花。

オニグルミの雌花は赤いベロを2枚出す。

ニセアカシアの花。この花の蜂蜜は香り高く人気がある。北米原産の外来種だが樹木の外来種は珍しい。

野生のノイバラの花。バラの品種改良に使われた原種の1つ。房咲き園芸品種の母種。

キンラン(左)とギンラン(右)。どちらも愛好家に見つかるとたちまち盗掘されてしまう。

今年はイタビカズラの実が豊作。

林縁にひっそりと咲くホタルカズラ。

遠く南米からやって来たチリアヤメ。

茎の下に花を並べるアマドコロ。

カザグルマと同属のハンショウヅル。

小さな花がツルに咲くオオカモメヅル。

小さな池に小さな葉を浮かべて咲くアサザ。

赤い実が鈴なりのオニシバリ。夏には休眠する。

オオバウマノスズクサの茎にいたジャコウアゲハの幼虫。

白い花はクララというハイジの友達のような植物。

ヤセウツボは地中海原産の寄生植物。

靄の中を日本海に向かうこけおどしのロナルド・レーガン。

石切り場跡が岩登りの訓練に使われる鷹取山。

鷹取山近くにあった日本道路の石標。