スッパムンの秘密基地 2017年10月〜12月(撮影)

スーパームーンの満月の上に飛行機を観ることができた。某国の秘密基地か、それとも行方不明になったマレーシア航空の飛行機がラグラジュポイント(3体問題の特殊解)を漂っているのか。普段と違う満月の夜には不思議な出来事が起こるかも知れない。
10月の後半には1週間の間に台風21号と22号が立て続けに接近通過した。そのため三浦半島の海岸に近い地域では強風に巻き上げられた海水が霧となって降り注ぐ塩害により多くの樹木が葉をすっかり枯らしてしまった。その後、新緑の葉を芽吹いた桜の仲間は季節を勘違いしたのか季節外れの花を咲かせている。カワヅザクラも12月だというのに葉の無い枝にちらほらと花見を誘っている。

スーパームーンの前を横切って羽田空港に向かう飛行機。

苔むした岩の上に小さな一株のシダが葉を伸ばしている。

民家の庭にイイギリの巨木が生えており真っ赤な実が鈴なりにぶら下がっていた。この赤い実はあまり美味しくないらしく冬になっても木の上にたくさん残っている。

サネカズラの皮をつぶして水を加えると粘り気のある液体になる。昔はこれを整髪料にしたり牛馬の毛並みを整えるために使用した。雌雄異株だが稀に両性花を持つ株もある。

登山の途中でガマズミの実を見つけるとつい口に入れてしまう。酸っぱい実は疲労回復の効果があるという。

ハダカホオズキはホオズキとは違って、その名前の通り果実は萼の袋に覆われてはいない。

果実に残った花柱に白い毛が密生するセンニンソウ。キンポウゲ科なので毒を持っているみたい。

ボタンヅルもセンニンソウ同様に果実に毛が密生する。この2種は同じ場所に生えていることもある。

夏の夜、白いレースのような糸状に裂けた花を咲かせるカラスウリ。赤い果実の中の種子はカマキリの頭に似た形をしており、結び文にも似ている形から玉章(たまずき)とも言われる。

アレチウリは第二次大戦後に北アメリカから渡ってきた帰化植物。アメリカから占領軍が運んで来たものだろう。海岸にビッシリと生えていたが1週間に2回接近した2つの台風の大波できれいに流されていた。

コマユミの果実は仮種皮に包まれた種子が2個ぶらさがっている。

ニシキギの果実は仮種皮に包まれた種子が1個だけぶらさがる。
ニシキギ属のマユミの果実は4裂し仮種皮に包まれた種子が4個顔を覗かせる。
ムサシアブミは有毒植物で、昔は便所に発生するウジの殺虫剤として利用された。

イソギクは海岸の崖や斜面に自生している。花は黄色の筒状花のみで舌状花は無い。厚い葉には白い縁取りが鮮明。

ハナイソギクはイソギクと栽培菊の交雑種。筒状花のみのイソギクとは違い白い舌状花がある。葉での区別は難しい。

2回の台風で完全に地に倒れていたコウテイダリアにかろうじて3つの花が咲いた。
台風の塩害ですっかり葉を枯らしたガリバーヒマワリが再び葉を出して花を咲かせた。

春の女神と呼ばれるギフチョウは早春に1回だけ発生する。発生時期はソメイヨシノの開花時期とほぼ一致する。幼虫はカンアオイの葉を食草としており、カンアオイは雑木林の林床に生えるため開発によりギフチョウは減少している。写真はカンアオイの花。

キチジョウソウは照葉樹などの樹林下に群生している。三浦半島の丘陵のハイキングコースにも途切れることなく群生している場所がある。濃緑色の葉にははっきりとした並行葉脈がある。群生しても花が咲く株は少ない。

ベニバナボロギクは森林の伐採後や崩落地などに真っ先に進出するのでパイオニア植物といわれる。花の先端は紅色。

ダンドボロギクは耕作放棄地や法面などに生育し、草丈は1mを超える。花の先端は黄色い。

ジシバリの花に頭を突っ込んで蜜を吸うアオスジハナバチ。ジシバリは土手などに群生して黄色い花を一面に咲かせる雑草だが小型のせいかあまり嫌われないようだ。

ナンテンハギの蜜を吸うイチモンジセセリ。ナンテンハギは葉が2枚ずつ出るのでフタバハギの別名がある。ハギは3枚ずつ葉が出るのでハギとは違うソラマメ属。

キッコウハグマの白い小さな花は心に残る。1つの花に15枚の花弁があるように見えるが、5枚の花弁と1本の雌しべを持つ小花が3つ集まって1つの花のように見えている。

医者殺しという別名を持つゲンノショウコは民間薬として利用されている。煎じた汁は腱胃整腸として利用されるが、逆の作用の便秘にも効果があるという。

ツワブキは種を蒔いてから2〜3年で開花する海浜植物。葉や花に情緒があり和風庭園には欠かせない。

野菜のササゲに似た野生植物のノササゲ。濃い紫色の豆果が秋のヤブに目だつ。
ウドはタラノキと同じ仲間で食用になる。柔らかく育てた茎だけでなく若葉も芳香があり美味しい。

ツバキに寄生したヒノキバヤドリギ。広い葉はツバキで、針葉樹ののような葉がヒノキバヤドリギ。

カシワはブナ科の落葉樹で葉は秋に枯れるが冬も枯葉は落ちずに木に残る。若葉を蒸して柏餅にする。歌舞伎の尾上菊五郎の紋所に描かれている植物がカシワ。

ギンナンは裸子植物のイチョウの果実で、被子植物のような子房は無い。種子を包む柔らかい外種皮は熟すと強烈な腐敗臭がする。

大きなスダジイの樹冠が冬空にパッチワークのような模様を描いて、お互いに日光を分け合っている。

一週間のうちに2つの台風が接近してすっかり葉を落としたソメイヨシノに季節外れの花が開いた。