五月晴れなのに喪に服す 2018年5月、6月(撮影)

梅雨入りの翌日、愛犬が死んだ。しばらく前から「遠くないいつかは...」という予感はあった。若い時には元気に全速力で走り回った散歩道を、あまり速くは走れなくなり、次に走る距離が短くなり、そしてゆっくりと歩くことしか出来なくなった。以前は苦も無く飛び乗っていた段差に乗るのを失敗して落ちたり、ちょっとした障害物につまずいたり、フローリングの床で滑って転んだり・・・・。犬は人間よりも早く老いていくことは知っていたが、急ぎ足で迫り来る愛犬の衰えの姿に自分自身の未来を重ね合わせて見るようで辛かった。
梅雨入りの少し前から食べたものを吐いてしまうようになり、やがて水すらも吐いて何も口に入れられなくなり、それでも吐き気が止まらず大量に喀血し、ヨロヨロと立ち上がることも出来なくなった愛犬はそれから数時間後に腕の中で呼吸を止めた。ひどく吐くようになってから4日目の雨が窓を叩く夜だった。たくさんの想い出が微笑んで手を振っているから、君は我が家に来て幸せだったんだよね。

若かりし頃の愛犬。

目を開けて眠っているように旅立った愛犬。

「センダンは双葉より香んばし梅花は蕾むるに香あり」という言葉が知られるが、この花が咲くセンダンには香りが無い。白檀(ビャクダン)と栴檀(センダン)の中国名を取り違えた言葉だと解釈されている。

シジミチョウ科のムラサキツバメは熱帯から亜熱帯の常緑林に生息するが2000年代になって関東にも分布が広がっている。食草のマテバシイが公園や街路に植栽されている事と温暖化のため。

エゴノキの果実の皮にはサポニンが含まれ水に入れて揉むと泡立つので昔は洗濯に用いられた。種子はコーヒー豆に似て硬くお手玉の中に入れられた。

オニグルミは全国に分布するが三浦半島で野生の木は走水と観音崎の数本のみ。最近はタイワンリスに食べられてしまい自然繁殖が難しくなっている。

マユミは秋から冬にかけて青空を背景にした赤い果実が印象的だが、花はあまり目立たない。

ヤナギイチゴの小さな果実は数が多く色も鮮やかで甘みもあるが味は微妙。興味があったら食べてみて。

ネムノキは梅雨から盛夏にかけて繊細な目立つ花をつけるが赤く見える部分は3〜4cmのオシベの塊。花弁は小さくて近寄らないとわからない。

ヒメコウゾの葉は左右が不ぞろいで短い毛が生えていてザラつく。果実には甘みがあり食べられるが実の先にある花柱が口の中に異物感を残す。

林縁に咲くアキカラマツ。名前にアキがあるのに梅雨入り前に咲き出した。

春小麦が実るのと同じ頃にムギクサも小麦色の穂をつけて全草が枯れる。

ムラサキシキブは高さ3mほどの低木でアキに紫色の果実をつける。ムラサキシキブの名前で市販されている木はコムラサキで高さは1.5m程。

ヤマボウシは日本、朝鮮、中国に自生し江戸時代に欧米に渡り植栽されている。果実は秋に熟し果肉には甘みがあり食べられるが種子が多い。

アサザはユーラシア大陸に広く分布する水草で湖沼や池に普通に見られたが、環境変化で他の水草と同様に衰退している。

夏至から11日目を半夏生(ハンゲショウ)といい、その頃に葉が白くなるのでハンゲショウの名があるが近年は夏至より前に白くなる。

キンランは雑木林が減り森林の手入れ不足により数を減らしているが、最大の減少理由は盗掘。

ケイワタバコはイワタバコの変種で、花茎や萼、葉の裏面葉脈に細い毛が生えている。

イチヤクソウの花には多くのオシベとたった1本のメシベがあり、メシベは象の鼻のように曲がって外に飛び出している。

スイカズラの花は2個ずつ対をなして咲き、初めは白くやがて黄色くなる。耐塩性があり海岸でも生育する。

ハマボッスは海岸に生育し肉厚な葉を持つ。

蛾の仲間オオミズアオがコンクリート壁に張り付いていた。

日当たりの良い芝地に咲くネジバナはラン科なので生育に共生菌が必要。ネジバナの共生菌は芝地を好む。

タシロランは常緑樹林の薄暗い林床に生える。葉緑体を持たないので光合成は行なわず菌類から栄養を貰う。

ハマカンゾウ(左写真)とヤブカンゾウ(右写真)はともにニッコウキスゲと同じ仲間。ハマカンゾウは海岸近くに咲く一重の花。ヤブカンゾウは八重の花が咲く。

我が家の軒下に這わせてある電源コードに4年前スズメバチが小さな巣を作った。全く知らずにいたが冬になってから気づいた。その同じ電源コードに今年またスズメバチが巣を作りだした。左写真の逆さ徳利が冬眠から覚めた女王蜂が1匹で作った巣。この中で卵を産んで働き蜂を育てよく知られた形の巣に拡張していく。右写真は逆さ徳利の中にあったアシナガバチに似た巣で幼虫が育てられていた。電源コードを外して写真に収めた。


関東が梅雨入りしたその日は、1ヶ月程前から東北方面への旅行を計画していた。梅雨の直前を狙っての計画だった。関東が梅雨入りしても東北の梅雨入りは1週間ほどは遅れるだろうと予想していた。東北の梅雨入りそのものは予想通り遅れたが、直前の天気予報では梅雨入り前の東北も関東の悪天候に引きずられて雨の日が続く予報だったので出発の2日前に旅行をキャンセルした。それが分かって安心したかのように愛犬は雨降り続く夜に急ぎ足で旅立って行った。旅行のため休暇にしていたので最後の数日はずっと一緒に居られたのがせめてもの見送りになったと思う。梅雨前線を刺激して全国的に長雨を降らせた台風5号接近のおかげかな。