四阿山から池の平湿原へ 2018年8月(撮影)

早すぎた梅雨明けに出遅れた感を覚えながら長野県と群馬県の県境に位置する山を歩いた。山の麓でも季節は早めに歩みを進めているようで8月初旬にもかかわらず夏の花は終盤に差しかかり秋の草花が咲き始めていた。
四阿山という名前は読みにくい。昔、紙の時刻表しかなかった時代に「難読駅」という読むのが難しい駅名の解説があったけれど、四阿山もさしずめ「難読山」かもしれない。この山は「あずまやさん」と読み、長野県側と群馬県側からそれぞれ登山道がある。今回はラグビーで知られる菅平高原から入山した。ところで四阿山が「あずまやさん」だからと言って親しみを込めたつもりで「あずまや君」と呼んではいけない。

菅平高原の牧場に咲いていたコオニユリ。

暑い真夏は涼しい高原で避暑生活するアキアカネ。

白い毛が目立つオヤマボクチは蕎麦の繋ぎに使われることもある。

マツムシソウの花にとまるミドリヒョウモン。

ヨツバヒヨドリは葉が4枚輪生している。

アキノキリンソウの蜜を吸うベニヒカゲ。

ミネウスユキソウの白く見える葉は綿毛の輝き。

マルバダケブキの花に遊ぶクジャクチョウ。

ウツボグサを乾燥させると夏枯草という利尿薬になる。

若葉は山菜にもなるオオバギボウシの花。

朝露に足元を濡らしながら見つけたシラヒゲソウ。

イケマは小さな花をたくさん放射状に丸く咲かせる。

ちょっと綿菓子を思わせるシモツケソウ。

ヤマハハコは雌雄異株。写真は雄株の花。

岩場に生えヨモギに似た草というイワインチン。

カラマツは日本に自生する唯一の落葉性針葉樹。

クロマメノキの実は野生のブルーベリーとも言われる。

コケモモの実は生でも食べられるがジャムに向いている。

小さな針葉樹に黒い実のガンコウラン。

乾燥した砂礫地に群生するコマクサ。

秋の七草の一つカワラナデシコは山にも咲く。

シオンに似て黄色い花のキオン。近くにはハンゴンソウもあった。

ウメバチソウの名前の由来は天満宮の梅鉢紋に似ているため。

高層湿原などに見られるサワギキョウ。これでもキキョウ科。

葉の付き方が車輪のように見えるシャジクソウ。

巴形に花が咲くトモエシオガマ。

シロバナニガナはハナニガナの白花変種。

ウラジロモミの林。後に聳える山は浅間山。

上信国境の山 四阿山 標高2354m

左に降った雨は千曲川から信濃川へ、右に降った雨は利根川へ。


8月初旬に長野群馬県境の山を訪れた。そのときに「ぐんま県境稜線トレイル」のポスターを見かけた。ぐんま県境稜線トレイルは群馬県と長野・新潟両県の県境稜線を巡る全長100Kmのトレイルで国内最長とのこと。四阿山山頂もこのトレイルに含まれる。このトレイルは今年8月11日の山の日に全線開通したが、その開通の前日、トレイルの安全確認のために飛んだヘリコプターが墜落して乗員9名全員が犠牲となってしまった。墜落の原因はいまだ判明していない。