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千曲川(信濃川)の源流を訪ねて1 2003年10月 日本で一番長い川、信濃川の最初の一滴はどこから始まるのだろうか。 地下水を上水道の水源としている一部地域を除いて、大都市の水道水の味はあまり評判が良くない上にトリハロメタンなどの発癌性物質の危険性が指摘されていたりするが、日本最長の川「信濃川」の最初の一滴、自然の恵み、下流に向けて数限りない生命を育む水は、どこで生まれどんな味がするのだろうか。 ![]() 源流というのは川の始まる所を言うので、そこから水が流れ川になっていく湧き水は全て源流ということができる。大きな川になると大小無数の支流があり、その一つ一つに全て源流があることになる。一般的にある川の源流というと、その川が終わる所、海に注ぐ川なら河口から一番遠い湧き出し口のことを言う。このため例えば北上川のように、どこが源流かまだはっきりとは判っていない川もある。今回訪ねる信濃川の源流は河口から367km離れた一番遠い湧き出し口だ。 信濃川という名前は新潟県(越後)を流れて日本海に注ぐ下流部分の名称で、長野県(信濃)を流れている時には千曲川と呼ばれている。普通に考えると長野県を流れている時に信濃川という名前のほうが自然に思えるのだが・・・。 ![]() 千曲川は奥秩父の高峰 甲武信ヶ岳から北に向かって下る西沢を源流として源流域の川上村で国師ヶ岳や金峰山を源流とする梓川、金峰川などを合わせ佐久市、上田市を流れ長野市で犀川と合流する。この合流地点の近くが戦国時代の「川中島合戦」で知られる場所である。 一方の犀川は北アルプスの槍ヶ岳の東南面を源とする槍沢と穂高連峰を源とする横尾谷が合流し梓川となって上高地を貫流し多くの水力発電ダムに水を湛えながら松本市に至る。ここで、槍ヶ岳北面を流れ下る高瀬川と合流して犀川と名前を変えて長野市に向かう。 このように信濃川は山系の違う2つの支流に別々の「梓川」という名前の川を2本持っていることになる。 千曲川の流域は広く、長野県に降った雨や雪の大半の水を集めて日本海に注いでいる。残りの水は諏訪湖から遠州灘に注ぐ天竜川と、伊勢湾に注ぐ木曽川に集められる。 信濃川の流域面積は長野・新潟の11,900kuで第3位だが年間流量は15,304百万立方メートルにおよび第1位である。流域面積が一番広いのは16,840kuの利根川だが年間流量は9,313百万立方メートルで5位となっている。 (つづく) ※写真:上から 朝霧に煙る川上村、川上村の白菜畑 |