中央アルプス 空木岳 2017年7月(撮影)

中央アルプス(木曽山脈)北部の木曽駒ケ岳周辺の山には何回か登ったことがあるけれど、中部以南の山はいまだ登ったことが無かった。駒ケ岳ロープウエーのおかげで千畳敷までは簡単に行かれるが、下山してからのアクセスが不便なためになかなか足が向かない。今回思い切って中央アルプスのほぼ中央に位置する空木岳に登ることにした。
千畳敷から空木岳までは初めて歩く未経験のコースであり、4年前の同じ時期に韓国人20人の登山ツアーが悪天候で遭難して4名の死者を出している。今年の梅雨はそれらしい長雨が降らず、かと言って空梅雨というほどには晴天でもない天候が続いていた。そんな中で3日ほど好天が続く予報だったので登山を決めたが、出発の日に関東甲信地方に梅雨明け宣言が出た。例年だと梅雨明け直後一週間は快晴が期待できるが今年はそうでもなさそうだ。

千畳敷まで駒ケ岳ロープウエーで簡単に登ってきた。ここは氷河地形のカールが残っており観光客にも人気がある。朝早くはこのように快晴だったが10時前後にはガスがかかってきた。

上のパノラマ写真の中央にも見える宝剣岳。鎖に頼って登る岩だらけの山だが今回は登らない。

山の上は快晴だが下界の駒ヶ根は雲の下。この雲がだんだん上がってきて稜線にもガスが流れるようになる。

稜線直下の登山道。まだ残雪が多い部分が一部ある。

稜線に出ると今は遠くなった御嶽山が間近に見えてくる。

北アルプス最南端の山、乗鞍岳もかすかに望まれる。

今回の目的地、空木岳。岩稜の道が続き悪天候では辛い。

空木岳山頂。流れるガスの切れ目に青空が見える。

夜明け前、月齢26の細い月とその真上に金星が輝く。

八ヶ岳の横から薄いガスを通して太陽が昇る。ご来光。

朝日が昇りきった後、雲海の向こうに八ヶ岳が霞む。

朝の稜線からの展望。右端の山は昨日登った空木岳。その横から左に続く山は南アルプスの峰峯。

クロユリだが花の内側は黄色が多い。

高山には黄色のスミレが咲く。キバナノコマノツメ。

ショウジョウバカマの猩猩色の花。

ハイマツの雄花。この枝には雌花が見えない。

ハイマツの下などに見られるミツバオウレン。

コイワカガミの花。近くの掌形の葉は別の植物。
ハクサンイチゲ。花数が多いのにどうしてイチゲなんだろう。

チョウノスケソウ。ソウ(草)の名がつくが実は小低木。

中央アルプス特産のコマウスユキソウ。

小さな葉をビッシリと敷き詰めるイワウメは小低木。

砂礫地にこんもりと盛り上がって咲くタカネツメクサ。花弁は5枚。

イワツメクサは花弁が2つに裂けて5枚が10枚のように見える。

コケモモの実はジャムにすると美味いらしい。

オシベがやたらと多いミヤマダイコンソウ。

岩場に鱗片葉がヒゲのように伸びるイワヒゲ。

他の草に隠れるように咲くツマトリソウ。

白とピンクのハクサンチドリがそろって咲いていた。

岩場や砂礫地に見られるチシマギキョウ。

高山にだけ見ることが出来るタカネシオガマ。

黄色い花はタカネニガナ。下の白い花はイワツメクサ。

日本アルプスは北、中央、南の3つからなる。北アルプスは長野、岐阜、富山、新潟の4県にまたがる飛騨山脈を指し中部山岳国立公園になっている。南アルプスは長野、山梨、静岡の3県に渡る赤石山脈で南アルプス国立公園となっている。一方、中央アルプスは長野県の木曽川と天竜川にはさまれた木曽山脈で国立公園にも国定公園にもなっておらず、中央アルプス県立自然公園になっている。

冒頭でも触れたが空木岳から宝剣岳にいたる稜線で韓国人登山ツアーが遭難した。これに関して韓国外交官が「誰も止めてくれなかった」と日本側の対応を恨むような発言をした。実際は山小屋の主が止めたけれど出発を強行していたのだが。日本人もアラスカのマッキンリーで雪崩により遭難した際にリーダーが「警報が出ていれば登らなかったのに」と不満をもらしている。このページにも写真を掲載した御嶽山の噴火に伴う遭難でも同様の不満から裁判が起こされている。登山ってそうなのかい、と思ってしまう。